LA - テニス
□TRAGIC LOVE
56ページ/63ページ
明日、世界は滅びます。
泣いても笑っても、どう足掻いても一瞬にして消えます。
結局、私たちの科学を以ってしても宇宙の脅威には敵いませんでした。
結局、私たちの化学を以ってしても宇宙の脅威には敵いませんでした。
磁力に吸い寄せられて星が降る日。
言葉だけならきっとロマンティックでしょうけど想像して下さい。
無数の星が大気圏を突き破り、この地表に落ちたなら…我々は終わる。
リミット機能を果たさなかった不発弾を抱いて、打ち放った核をも呑み込んで。
星は私たちに向かって降って来るのです。
明日、世界は滅びます。
泣いても笑っても、どう足掻いても一瞬にして消えます。
The End of the World
「為す術は…もうありません」
マスメディアは今日も動いていて、最後まで職務を果たすと言った人たちは動いていた。
笑えない冗談を笑いながら言葉にする人も中には居て、それをどうこう言う人なんて居ない。
倫理も道徳も必要なくなった。罪も罰も意味を為さなくなった。
最後に出来ることは、何だろう。
恐怖に打ち勝つ術は何処にもなくて、逃げ惑う人も居た。発狂した人も居た。
感情を露にした人も、耐え切れずに一足先に死んだ人も、変わりなく過ごす人も、居た。
――最期に、やりたいことをして欲しいですね。
勇敢にも全うな自論を告げた評論家は、その言葉を最期にモニターから消えた。
□壊れたように歌う君(幸村)
□君を見ていた(木手)
□いつかまたどこかで(長太郎)
全ては無に還った。
生命は土へ、土は星へ、星は無へ。
みんな、さようなら。
みんな、おかえりなさい。
ただいま…還るべき場所。