LA - テニス

07-08 携帯短編
78ページ/80ページ


どうしてこうも溜まり場になるのでしょう。
先輩方は引退されましたよね、この夏で。
それなのに…まだたむろするんてす。

「何や宍戸んトコにも行ったんか」
「おう。すっげえ勢いで」
「……俺のとこにも来ましたよ」
「若んとこにも!」
「……ランダムかいな」

今から部活を始めようとしているのに、
誰の話で盛り上がっているのか分かりません。
忍足さんと宍戸さんと日吉。
何だろう、この組み合わせで共通の話題って。
物凄く気にはなりますが…聞けないです。

「大体よ、毘沙門って何だ?」
「……お前歴史得意とちゃうん?」
「そーじゃなくて!」
「……要は何故毘沙門だと叫ぶのか、ですよね」
「さすが若、話分かるじゃん」

……俺には理解出来ません。
毘沙門…毘沙門天の話でしょうか?
毘沙門と叫ぶ…変質者でもいるのでしょうか。

「……何だ、またいんのかよ」
「あ、跡部」

そんなことを考えていた時、跡部さんが来ました。
確か…練習に付き合うということでしたが。

「お前ら暇人だな」

個人的には…跡部さんも暇人ですよ、ね?
とは口が裂けても言うことは出来ませんが。

「おー皆いるじゃん!」

……また一人、増えました。
本当に、此処はどうなってるんでしょう。
と、その時ふと気付きました。
例の3人が何故か溜め息を吐いてるのに。
何でしょう。向日さんで溜め息…

……ですが、すぐに理由が分かりました。

「我、毘沙門なりー!」

3人は本格的に頭を抱えてます。
俺は唖然として、跡部さんもまた驚いてます。
ベンチに足を掛け、叫ぶ向日さん…

「我、毘沙門なりー!!」

煌々と、そして堂々とした勇ましい態度。
そして、同じ言葉を繰り返すのでした。


(鳳編)
次へ / 戻る
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ