LA - テニス

07-08 携帯短編
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……何か期待されてねえか?俺。

すげえ浮かれた岳人が乗り込んで来た。
で、挨拶とかナシでいきなし机の上に登った。
で、よく分からねえポーズ取って…何だ?
つーか、何だ?注目されてんぞお前。

「が、岳人?」

ほ、誇らしげ?脚光浴びて誇らしげ?
なあ、何か言えよ。声掛けたんだ、無視すんなよ。
その誇らしげかつ期待したような目で俺を見んなよ。
なあ、マジで激こえーよ。何だよゴラ。

「お、おい…」
「我、毘沙門なりー!」

……視線、痛くねえ?

「我、毘沙門なりー!!」

……刺さってんぞ、皆の視線。

「あ、あのな、岳…」
「我、毘沙門なりー!!!」
「お、落ち着けー!!」

そ、それ以上叫ぶな叫ぶな!
しかもワケ分かんねえよ、いきなし!
な、何なんだチクショウ!いてえよ視線!

「……宍戸も知らねえのかよ」
「意味分かんねえよ!」
「……じゃ次行こ」
「はあ?」
「じゃーな!」

颯爽と走り抜けた岳人。
めちゃくちゃ痛い視線を残して。
な、何か悪いもんでも食った、か?


(宍戸編)
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