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Re:短編小説
かいり
[ID:0110egg]
あんなに煩かったセミの声をも、段々懐かしくなる頃。
珍しくその日は空が抜けたように青かった。
「ベス、今日は暑いね。」―――チリン
しまい忘れた風鈴が涼しげになった。
もう返事をする事のない愛犬は、お気に入りのクッションでいつも通り昼寝をしている様だった。
あまりにも、いつも通りで。
縁側で足を桶の中の水に浸しながら加奈は話しかけた。
「お姉ちゃんねー、今日特別にベスを海に連れていってやろうと思ってたんだ。」
いつもなら、尻尾振ってくれるのに。
「あれ、返事がないぞ?」
お散歩行こうよって駈けて来るのに。
「行ってあげないよ‥‥。」
もう、
「ベス雨降ってきたよ。」
カラリと晴れた空はそんな嘘を涼しい顔をして眺めた。
加奈を悩ませる昨夜からの雨が今日もまた頬を濡らした。
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メッさ短いのと比喩が多いのは見逃して下さい(゚д゚;)
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