リューマ×ブルック(BL)

□桜木
1ページ/3ページ


「わぁ…………きれい………」



時は満月



「スリラーバークに
こんなものがあるなんて
まったく知らなかった」



時折 通りすがる風と共に
小さく淡い色の花びらが
ヒラりと彼の目の前を遮る



「えと…………確か……
昔、春島でも………
何でしたっけ」



「サクラ……………」




「そうそう!サクラで…え?」




背後から何者かの声に驚いき
ブルックは振り返る



その視線の先は
少し離れた緑木の支柱に
もたれかかるリューマ



「リューマさん?!
い、いつから
そこに居たんですか?」




「陽暮れ時から………」



「………そ、そうですか」




「先刻、花を咲かせた所
よい時に来られましたな」


「へぇ、そうなんですか?」




「ええ…………」




「スリラーバークに
桜の木があるなんて
私、知りませんでした」



「ヨホホ…………
それもそのはず
ここは本堂の裏側
貴方の様な臆病者は
決して辿り着くことなど……」



「……………むっ」




「失敬………
今は、違いますな」




「はい!私、勇気出して
ここまで来ました
お陰で桜に出会いました」




「………うむ
それは結構………」






「リューマさんにも」






「……………。」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ