リューマ×ブルック(BL)

□希望
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「貴方はいつもそうだ
約束、約束っと言って
結局、何十年もの間
この魔の海域から
出られないじゃありませんか?」



「それは………舵が壊れて」




「壊れて…。そう…
仮に私が貴方の足元に帰った所で
何も変わらない
この先もずっと…」




「そ、そんな事はない!」




「笑止!!
根拠もない無駄な強がりに
私はどれだけ振り回された事やら」



「ぇ………」



「飽きてしまいました!
貴方の影として従う事が
いえ、失望………と言う方が適切」



「……………」




「例えゾンビの姿であっても
モリア様の元で
つき従う方が余程よい事か」



「自分から選んだと言う訳ですか?」



「ええ、そうです」



「何で?!信じてくれないんですか?」




「無理な話でしょうに」




「私の影ならば、ラブーンに
会いたい気持ちはあるはずです」




「今更、手遅れでしょうな
あれから50年
もう彼は待ってやしない」



「やめろ…………」




「貴方が一番そう思って
いるのではないんですか?」



「違う…………」



「私は貴方の影だから
よーく分かっているんですよ?」



「だまれ………」



「彼は待っている
そう願ってはいても
本当は不安と恐怖で満ちている」




「だまれ…………」




「信じていないと
死んでしまいそうだから」




「黙れッ!!」




「待ってなんかいませんよ!
貴方は永久に独りだ!」




「黙れっ!」



「生きている意味のない
憐れなご主人だ」




「私の唯一生きる希望を
取り上げないで下さい」





「希望?
鯨の希望を奪ったのは
誰ですか?」




「…………!!」





「貴方…………ですよ」






そして私の希望も奪った



貴方を信じていた
私の唯一の希望を




だから、貴方の希望は
私が壊してあげます!





目の前にいる私が……









end
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