リューマ×ブルック(BL)

□想い
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コツ…………



コツ…………




ブルックは
リューマに近づく




「お願いしますよ………」



「くどい……ですな」



コツ………



男の前に立ち止まる




「なんですか?」




自分より低い男を
包む様に抱く




「何故、私を抱くのですか?」


抵抗する事もなく
淡々と言葉吐く




「貴方を愛している
この想いを
思い出して欲しいのです」



抱かれた男の耳に


彼のかすれる様な
絞り出す様な




滲んだ声が染みる





ドクん…………



ドクん…………



ドクん…………



乱れた鼓動が
彼に悟られて
しまいそうな思いだ



「例え思い出したとしても
私の主人はモリア様
何も変わりはしない
それではただ心が
虚しいだけです」





「…………そんな事はない」




鎖に繋がれた私の




心を乱さないで欲しい




「貴方はそうでも
私はそうはいかない」




「…………」





「仮に、心が貴方を愛しても
この肉体はモリア様のモノ
なのですから
私も………
貴方も………
辛いだけですよ」



「…………」





「だったら始めから
貴方を愛さない方がいい………」





「………………リューマ」





否、既に手遅れでしょう






貴方を愛しているのですから




私の本当の主人は
貴方ですから





貴方を傷つけるだけなら




悟られぬ様に




想いを留め





言葉にすまい




「少しだけ………このまま
抱いていても
いいですか?」





ドクん…………



「貴方の気が済むなら
好きにしなさい」




これ以上
愛してはならない





私の主人は…………





モリア様なのですから…







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