リューマ×ブルック(BL)

□偽影
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「ご主人!これは一体
どう言う事ですかな?」



「昨晩までは、確かに無かったのです
でも朝、起きましたら
影が戻っていたのです」



「有り得ませんな!
貴方の影は、
私に入っているのですから」


「でも見て下さいよ?
変な所は無いでしょう?」


ブルックは、跳び跳ねたり
身体を反らしたり
身体全体でくねくねと動く


足元から伸びる影もまた
同じ様にくねくねと伸び縮みし
不自然な所は無い



「ね?」



「そ、そんな馬鹿な事が………」



「いいえ、可能性はありますよ」



「何です?」


「そもそも、
貴方の中に入っている影は
私ではなかった。と言う事です」


「何を言い出すのですか!
正真正銘、貴方の影です!私は!」



「ええー?怪しいです!」



「貴方の事は何でも把握しています!」


「えー?うそだー
私の何を知っているんですか?」



「貴方のかつてのお仲間の事や
貴方が歌がお好きな事
そうそう!ラブーン!!
かの鯨との深い深い絆!」



「ちょっと?」



「それに、船長さんが隠していた、
おやつを盗んで食べてしまった事……
足がツって海に落ちた時や…」


「ちょ、ちょっとっ待って下さい!!!」



「信じてくれました?」



「そうではなくて
何故、ラブーンの事を?」



「何故って
私は貴方の影ですから」



「前にお訊きした時は
名前すら知らない、
忘れてしまったと、
言ってたじゃないですか!」



「……………あれは
貴方を困らせる為の嘘で」




「えええー!
私に嘘をついてたなんて
酷いじゃありませんか!」



「それは
致し方がなかった事で」




「やはり貴方は
私の影ではありません!」



「え?何故に?」



「私の影だったら
本体である私に
そんな意地悪しませんもん!」




「あ、そうではなくて
なんと言いましょうか
愛情の裏返しと言いますか………
って、私は何を言っているんだっ」




「偽者!」




「え?」




「嘘つき!!」



「ご主人」



「ゾンビー!!」




「子供か!貴方は!」



「もういいんです」



「…………………?」




「影が戻った事ですし
この島には用はありません」




「え?何を仰って………」





「こんな不気味な島は
さっさて出て、
私はラブーンの元に向かいます♪」



「っ!!!!!!!!!!」





「嘘をついていたリューマさんは
軽蔑しますけど」



「けいべ………………(グサっ)」



「もう過ぎた事なので、
もういいです
お世話になりました。」



「ご主人……………
ま………待たれよ…………」





「では、さようなら♪
ヨホホホホ〜♪
ついに脱出〜♪♪♪」



ブルックはリューマにおじきを済ませ
部屋を飛び出して行った







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