ロマンシングサガ

□未来
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ポロロ〜〜ン


『英雄達の激しい戦いにより、
こうして再び平和への
道が開かれたのであった…』


パチパチ…


「わぁ〜い
面白かったぁぁぁぁぁ!」

とある町の広場で
楽器を持った男は
小さな子供達に囲まれ
得意げに謡った。


語り終わり楽器の弦から
静かに手を放すと
子供達に柔らかに微笑んだ



「その後英雄達は
どーなったの?」


子供の質問に
男は暫らく沈黙した


その表情は変わらず
柔らかな笑顔で
口を開いた


詩人「残念ですが
私にも分かりません…」


生きているのか
死んでしまったのか



男は小さくため息を残し
町から去った


そしてその足は
また違う町へと
進ませていた


やがて町に着くと
必ずPUBへ迎う


そこは人が沢山
集まる場所だからだ


格別に賑わしい場所が
好みと言う訳ではないが
自分が語る話を喜んで
聞いてくれる
唯一の場所だから


中には馬鹿馬鹿しいと
途中でその場を
離れる人もいた


「あんた、今の話、
実話かい?」


こう問う客は必ずいる


詩人「ははは。
信に迫った話でしょ?
だから、よく
言われるんですよ」


男は軽く笑いながら
客をあしらう


信じがたい内容だが
実際、己の目で
見てきた実話だった。


しかし実話だとは
決して言わない
あくまで伝説だと


しかし、男の語る物語を
店の隅から聞いていた客が
男の傍へやってきた


「ねぇ、おじさん?
今、話に刀を持った青年って
言ってたじゃない?
その人ってグレイって
言う人じゃないよね?
彼を探してるの」


特徴ある帽子を
被った若い女魔術師と
体格が良くガッシリした男
背中には大きな大型剣を
背負っていた



彼女等はグレイと言う
青年のかつての
仲間だったのでしょう
彼が忽然と姿を消して
彼女等は彼を
探していた旅の途中。


彼女の言う通り、
刀の青年はグレイ。
サルーイン討伐の際に
加わった英雄の一人


詩人「ははは、違いますよ
仮にそぅだとしても
遥か昔のおとぎ話ですよ?
この時代には存在しませんよ」
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