ONE PIECE

□痛み
1ページ/4ページ


フーシャ村を出て
始めの満月の夜


不意に真夜中に目が覚めた
ベン・ベックマンは
寝室に船長が
居ない事に気付く

別に用事がある訳でも
話す理由とかは無いが
フラフラと 奴を探しに
立ち上がっていた


甲板に出るや
生温かい潮風がゆらりと
垂れた髪を揺らす

真夜中だろうと
月明かりは
辺りの海を青々と
照らしていた

ふと前を見ると
奴が一人
床に座り込んでいた

ベンは声を掛ける事なく
奴の背後に
背を向けて座る


ベンの気配に
気付いた船長は
振り返る事なく
話しかけた



「何だ?
説教でもしに来たか?」



「何で俺があんたに
説教なんぞ、しにゃならん」


「気にしてるみたいだから」


さりげなく船長は
自分の腕の事を持ち出す


「あんたが何をしようと
俺が意見する道理はない」


興味無さそうに
冷たくあしらう


「よく言うぜ」

船長は鼻で
笑いながら呟く


「言いたい事があるなら
はっきり言え」


続けて吐いた


何の意味があってかは
分からないが
そうやって俺を
怒らせようと
変な挑発をしているのは
明白だった
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ