リューマ×ブルック(BL)
□存在
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今にも沈没して
しまいそうな廃船
高い波しぶきが当たる度に
ギシギシと鳴るし
船内は暗く薄気味悪い
とても人が生きていける
環境とは言えない
「んんん〜〜」
そんな船の中で
歌声が響く
「ヨホホホ………
ごきげんよう。ご主人」
「んん〜♪んっ!
え?!リューマさん?!
え!あれ?何で?」
「私がここに来ては
おかしいですかな??」
「いえっ。
そんな事は無いです!
まさか、この船に来てくれる
なんて思わなくて」
「呼んでいただければ
いつでも出向ますがねェ」
「あ、えーっと
ようこそ」
「ヨホホ。宜しければ
お茶…を戴けますかな?」
「あッ!!そうですよね
お客さんなんて久し振りで……
ちょっと待ってて下さい」
「うむ」
「あ!どうぞ!船内へ
中でお話しましょう」
ブルックは慌てて
お茶の支度に走る
リューマは誘われた部屋に足を運ぶ
船内も外装も
然程変わらない荒れ様だ
物と言う物はガタガタ
壊れたガラクタだけの虚しい船
「ふぅ…………
こんな所で、独り…………」
カタっ
「お待たせしました!
お茶を用意しましたよ♪」
ブルックはリューマの好きな
緑茶を用意し運んで来た
「かたじけない」
「いえいえ」
リューマは用意された
入れたてのお茶を一口
「お、美味しいですか?」
少し苦い…………
「美味しく戴けますよ」
「良かったァ〜
緑茶入れるの
私、慣れてなくて」
「でしょうな………
渋い…………」
「ガァァァァァン!!!」