リューマ×ブルック(BL)

□独り
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カタン………




カタン…………





とうに陽は沈み




屋敷の中は
モノケの殻の様に暗い







カタン………



「んんん〜」



カタン………




静寂した空間を
鼻唄と下駄の音が響く





カタ…………




自分が向かう部屋への
扉が半分ほど開いている



ギィィィィ




男はゆっくりと扉を押し
誰も居ないはずの
薄暗い部屋の中に
足を踏み入れる






「何をしているのですか!
元、ご主人………」



「すいません…………
外は恐くって」




部屋の隅で怯える様に
座り込むブルックを見る






「屋敷内も然程変わりは
無いと思いますが?」






「ここに居れば
貴方が来ると思って」






「ヨホホホホ…………
私に何用ですかな?」






「いや、別に用事があると
言う訳ではないんですが」





「…………貴方は
招かれざる客だ」






「…………ええ………
それは充分に分かってます
ですが…………」





「独りが恐い………ですか…」





「はい……………」






「それが何ですか?
情けない…………」






「貴方は知らないんです!
孤独ほど辛いものはありません!!
私はずっと………ずっと
独りで………」





「………………
またその話ですか?」
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