LA - テニス
□04-06 携帯連載
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私は産まれた時は人間だった。
それがいつしか…人形になっていた。
人 形
自分で自覚したのは小5になった時だった。
両親は離婚し、私の親権は父親へと移動した。
数年後、父親は当時の不倫相手と再婚した。
その人は…良い人だった。
父の付属品である私を愛してくれて、本当の子供のように扱ってくれた。
私には二つ下の義弟が出来て、全ては家族として幸せになる予定だった。
でも、予定は未定。
父親は再び不倫行為を行い、私を捨てていなくなった。
そして…幸せは消えていった。
その日から繰り返されるのは、怒りの収まらない義母の虐待。
それに刺激された義弟の性的嫌がらせ。
私はただ…
全てが終わることを望んでいた。
しばらくして、私は病院へと移動していた。
その理由はわからないけど、今考えれば近所の人が通報したのかもしれない。
その後は施設へと入れられ…私は完全なる人形と化した。
言葉を閉ざし、感情を意識の奥へ、YESしか言わなくなった。
そして施設の支援の下、私は小学校を卒業。
わざと実家から遠い氷帝学園を選んで入学を果たした。
そこから自分を変えることはなかった。
人形のまま過ごした時間のことは覚えていない。
そんな時、厄介な存在が出て来た。
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