LA - テニス

07-08 PC短編
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荒々しい息遣いに呑まれ、痛いまでに抱きしめられた。
時々、私に気遣いながらも絶頂へと上り詰めようとする。
その動きが少年の、少年らしさを感じた。



想いの先に



投げ出された制服、シワを気にする余裕はない。
カーテンから漏れた陽の明かりは、まだ日中だと告げていた。
「ゆい」
耳元で囁かれて、少しだけ顔を上げてみる。
そこには汗だくになった宍戸亮の姿しかない。
初めて、受け入れた。
初めてなのに、何度も何度も…
「悪い…まだしてぇ」
「絶、倫…ッ」
私がジラし過ぎたせい、だと彼は言う。
足を大きく割り広げられて、亮の腰が前後する。
私のコトなんかお構いなしに、深く深く刻まれて…
「あッあんッ」
「すげぇ、気持ちいいぜ…」
運動なんかよりもハードな動きを受け入れる。
パンパンッと打ち付けられる音、ぐちゅぐちゅと掻き回される音。
卑猥すぎる音は全て、私と亮が繋がっている場所から響く。
亮が、動く度に奏でる音…
「やッ…もう無理…ッ」
何度も何度も踏み荒らされたかのような秘部。
そこは受け入れすぎて…快感の悲鳴を上げていた。
入れられても抜かれても、全身を襲う快感の嵐。
激しい動きが、官能の世界を開花させていた。
「我慢の限界、そう言ったろ?」
「ああッ」
亮のベットがギシギシと音を立てる。
激しさを物語るかのように…

乙女の皮を被った狼の覚醒。
餌食になったのは私。
溺れる快感の泉は深く、私を沈めていく。

「…そろそろイクッ」
私の足を高く持ち上げ、肩に掛ける。
くの字に折り曲がらんばかりに、亮の体が圧し掛かって…
「行くぜ?」
更に激しく突き動かされ、卑猥な音が更に響く。
声にもならない声が自分の口から出ていた。
「あああああッ」



使用済みのゴムが床に転がる。
袋も枕の横に散らばって、その横で私たちはまだ重なっていた。
「ヤリすぎ…」
「…悪ぃ」
数日前に忍足から亮への誕生日プレゼント。
それが無くなった時、激しいまでの行為も終わった。
「動けなかったら、どうしてくれるのよ」
「だから、悪ぃって」
「ケーキもぐちゃぐちゃになってるだろうね」
「だーかーらッ、俺が悪かったよッ」
亮の部屋に充満する、独特な匂い。
濡れたシーツは冷たくなって来ていた。
「謝罪より責任取ってもらいます」
「はぁ?」
「責任、取りなさいよ?」
私に無理させた責任、ケーキを台無しにした責任、
制服をぐちゃぐちゃにした責任、そして…
「わかった。責任持って面倒見てやるからな」

机の引き出しの奥から取り出したモノ。
それを見せられた私は硬直した。
見せ付けられる、圧倒的な凶器の存在。
体を鍛えているだけ、ある。

「ま、さか…」
「そう。もう止められねぇよ」
新たなゴムを付けて、覆い被さって来る亮。
抵抗する力もなく、ただ抱きしめた。
「優しく、してよ?」
「出来るならな」

想いを届けるまでに掛かった時間。
戻れない、そう思ったら少しだけ寂しい。

「イレるぜ」
「くッ……ああッ」

だけど、それ以上に感じるモノがある。
ナカだけじゃなくて、心の奥底に…

「…ずっと、好きだ」



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