LA - テニス

05-06 PC短編
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だらだら


いつも彼の部屋に来ると、だらだらしてばかりなの…。

「景吾」

「あ?」

「デートしよ?」

「今、してんじゃねぇか」

いつもこの調子で家でだらだらしてばかりです…。
別にイヤというわけじゃないけど、少しくらいは遊びに行ったりしてもよくない?

「そんなんじゃなくてさ」

「アーン?ゆい様は何がお望みなんだよ」

「様、なんて付けなくていいよッ。ただ、ちょっとくらい一緒に出掛けたいかなーって思って」

「あ…面倒だな」

この調子で二人でだらだらとベットに転がっていた。

「ものぐさ景吾」

「そんな俺様が好きなくせによ。違うのかよ」

「う…ッ。それはそうだけど…さ…」

そんな風な精神的な攻撃に弱い私は、これ以上には景吾に攻撃が出来なくなった。

「ゆい…お前、出掛けたがるけどよ、たまに出掛けたら…
『今、景吾を見た女の人が気に入らないッ』…とか言い出すくせに」

「……」

だって景吾は本当にカッコいいし、振り返る女の人がたくさんいて…。
私はその景吾には劣る彼女だから不安になって…。

「…お前をそんな顔で不安にさせるくらいなら、こうやってだらだらすんのが一番なんだよ。バーカ」

景吾はそう言って、私を無造作に抱き寄せてくれて…それだけでドキドキする。

「景吾…」

「あ?」

「やっぱり…だらだらでもいいや…」

現金な私は…景吾の優しさに触れた時、完全に彼に負けてしまう。

「ずっとこうしてゆいと一緒にいるのが俺は好きなんだぜ?」

「え?」

「女はこんなのをマンネリ化とか言いやがるけどよ、男からしたら日常的なコトほどイイモンはねぇよ」

ゆっくり頭を撫でられて、それだけで満足の気持ちが芽生えて来る。

「男にとって、一定の女といるのが日常化されるっていうのはな…」

「…っていうのは?」


続きを聞かせて?


「一生をこの女と過ごせるっつーコトだ」


涙が溢れそうになった。


「嘘じゃねぇからな?」

「うん」


こんな彼だから、
私は離れられないよ。


「大好き…」


だらだらしてても、いつも私のコトを考えてくれてる景吾が『大好き』だよ。



だらだら
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