LA - テニス

05-06 PC短編
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とりあえず、今日は何をしちゃう?
折角の休みで部活もナシ!
試験勉強? そんなの気にしないし、気にならない。
彼女と一緒に過ごす?
それがやっぱりベストだよね〜。

だ・け・ど
大事な俺の彼女は……部活なんだけどさ!



Let's ナンパ!



休日って良いよね。 老いも若きも男子も女子も沢山いる。
とりあえず、周りを見渡して…リサーチリサーチ。
今日は可愛い子を目当てでいく? それとも美人さん?
浪漫が溢れちゃってない?
うーん…この胸のトキメキ、たまんないね!


「あ、そこの君!」
「……ハイ?」

近場を歩いた女の子に早速トライ!
何か、怪訝そうにコッチを見ちゃってる…
その警戒心!俺は高く評価しちゃうけどね!

「もしかして、今暇とかしてるかな?」

ワァオ!明らかに警戒と動揺が入り混じってるね!
上から下まで見られて、最終的には髪を見てるのかな?
髪の色からしてチャラっぽいけど…これって地毛なんだよ?

「別に怪しい人とかじゃないんだよ?」
「……」
「俺が暇しちゃってて、よかったらお茶でもどうかなぁ…みたいな?」

おっと、眉間にシワを寄せられてない?
言い回しが良くなかったかな?
それでも負けずにトライトライ!

「ちょっと話相手になってくれるだけでも良いんだよ〜」
「……イヤです」

のぉ!スタスタと立ち去ってしまった…
しかも、ハッキリと「イヤ」なんて言われてしまった。

でも、これって良くあるコトなんだよね〜。
めげずに更にトライして行っちゃおう!
可愛い子、美人な子、綺麗なお姉さん、素敵な人妻…


――人妻はマズいっしょ!!!!


心の中でノリツッコミもちゃんと出来てるじゃん。
これだけ調子も良ければ、次は確実にナンパ成功するっしょ!


「ねぇ、そこのお姉さん」
「……何?」

今度のターゲットは美人のお姉さん。
イイネ、その綺麗な服装にバッチリメイク!
高評価だよ、高・評・価!

「今、お暇ですか?」

顔色一つ変えないトコロが大人の女性だよね。
ナンパは慣れていらっしゃるご様子。
それでも、俺は負けずにナンパを……

「……暇だったら、こんな場所は歩いてないわね」

えぇ!?お暇ではないのですか?
清純ショック…

「そ、そうなんですか…」
「子供のナンパには付き合ってられないから」

……素敵な捨て台詞、ありがとうございます。
お姉さんは高いヒールを自在に操り、歩き去ってしまった。

おっかしいなぁ。 二人連続で玉砕。
今日の星占いカウントダウン ハイパー!では一位だったんだけど…
星占いは当てにならないってコト?
いやいやいや、そんなコトはないよね!
二人に玉砕したくらいでメゲちゃダメですよ!
次、次は成功するさ〜。


「……清 純」


ゲッ!な、なんでそこに立っていらっしゃる?
可愛い顔が台無しなくらいに怒って…
見えないシマシマの角まで二本見えちゃってるよ?

「ゆい…君、部活だったんじゃ…」
「早く終わったのよ、悪い?」

いやいや、悪くはないデス。
むしろ…なんで私服姿でココにいるわけ!?

「清純のコトだから、ココでナンパでもしてるだろうと思ってね」

こ、心を読まれた!?

「心をもって心を伝える」

昔の先人が作った言葉、以心伝心って素晴らしい…
って、そんなコトを考えてる場合じゃない!!

「で、成果は上がってて?」
「いや…惨敗なんだけどさぁ…」
「そう…」


私 た ち も う 終 わ り ね !!


この人だかりの中、土下座で謝罪。
都市の真ん中で俺のありったけの愛を叫ぶ。
彼女は…許してくれるだろうか?



◆Thank you for material offer 煉獄庭園
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