LA - テニス

TRAGIC LOVE
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人の為とは



「別れよう?」


彼が志月にそう告げた時、大きな目に哀しみを浮かべて…
何も言わずに、俺の方を見ることもなく出て行った。



理由も事情も何も言わずに別れを告げた。
無言での了解が俺の胸を締め付けていた。



「嫌いになったわけじゃないんです…」



今更、声を出しても届くことのない言葉は虚しく、すぐに沈黙の中へとかき消されていった。






人の為とは






志月と付き合っている間、予想した以上に楽しい時間を過ごしていた。
それはきっと志月にとってもそうだったと思うほどに。

志月との会話、
志月との思い出、
志月とのキス、
志月との…。

そんななかで自分に異変が起きていたんだ。





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