LA - その他

□女神異聞録ペルソナ
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何となく、出番はないと思った。



選択 〜内田たまき〜



色々あった前の学校、忘れもしない体験をして…此処へ来た。
平和で穏やかな生活の中でまたもこんなことが起きるなんて思いもしなかった。
一人だけ冷静に、一人だけ淡々と窓の外に居るモノたちを眺めて考える。

どうしようか。もうあの時の仲間も仲魔も居ないけど。

慌てる先生、生徒を横目に強く握った拳。
だけど、突然やって来た彼に何となく…私じゃないみたいって気付いた。
あの頃の仲間たちと同じ目をした彼。私の目はきっと同じじゃない。
誰よりも冷静だもの、それってきっと前線に出るのが私の役目じゃないってことね。

「今度は君の番」
だから託すわ。代わりに私はこの学園に残って…影ながら力になるから。

無表情な彼が少しだけ驚いた顔をしたけど私は笑ってたと思う。
大丈夫、大丈夫。と、安心してしまっているのはきっと、彼を信じてるから。
あの日の仲間と同じ目をした彼。共に闘った仲間たちと同じ…

「私が昔使ってたものだけど…君にあげる」
「……」
「大丈夫。君だったら」

無口な彼がそれを受け取ったということは、この街を守るということ。
規模は大きいけど彼ならきっと負けることはない。
私は…そうね、せめてこの学園を守ることに徹しようかしら。

知らないわけじゃない何かを知った私。
多少なりとも闘えるだけの力を持った私。

影ながら、彼らの為に――…



END
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