D r e a m y
□S A K U R A
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土曜日の午後。
通りを歩く人や車の中はみんな親子で−。
その中には普段学校では見せない同級生の、満面の笑みも混じっていた。
太陽はおやつの時間を告げるために傾いている。
「ハイ。いつもありがとうねぇ」
馴染みの店員さんが話しかけて渡してくれる。
この山積みの弁当やらオニギリは、僕の昼食。
そして…夕食。
休日に何処かに遠出する。
両親が共働きで、遊んでもらえない子供は羨ましいのかもしれない。
だけど、僕にとっては逆に−。
…都合が良かった。
今日も僕は大きな桜の根元に座っている。