D r e a m y
□こ の 羽 根 一 枚
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<カニさんのお話>
ふたつ鋏のカニさんは、
「お花いちりんくださいな」
ある日、お花を買いにきた。
お花屋さんはニッコリ笑って。
カニさんの鋏と赤さに似合うお花をさしだしました。
「ありがっ…あッ!」
ちょきんッ
カニさんのお花は、地面に落ちてしまいました。
お花屋さんの手の中の葉っぱと茎を見て、
カニさんはワァワァと泣きだしました。
「こんなにキレイなお花なのにボクのバカッバカッ」
と、カニさんは鋏をチョキンチョキン。
落ちたお花を一生懸命掴もうとします。
だけどお花はそのたびに、
ぱらり…はらり…と花びらを散らせます。
お花屋さんはとってもとってもかわいそうに思って
ある作戦を思いつきました。