2000年(第21詩)

 「あなたは」

 あなたは
 この形のよくない手を
 愛犬を可愛がるように
 当たり前のように
 握ってくれた
 
 私の心は…

 あなたは
 その細く柔らかい手で
 私を守ろうとするかのように
 当たり前のように
 肩を寄せた
 
 私の心は
 あなたのもの

 2000年(第22詩)

 「本心」

 私に
 偽りの言葉は
 私を
 侮る事と同じ言葉

 泣きたいくらいの嬉しい言葉も
 突き刺さるくらいの沈む言葉でも
 向き合って
 紛れもない言葉で
 言って下さい
 
 それが私の
 力になるから

 2000年(第23詩)

 「Hito No Saga」

 雑踏は嫌い
 でも
 人が多い場所は好き

 人の顔
 人の服装
 人の振る舞い
 
 全て同じ人間として
 生まれたのに
 趣味も
 仕事も
 少しずつ違う

 人は人と
 比べて生きているから
 違うことが
 調和するのかもしれない

 2000年(第24詩)

 「優子」

 私は
 優しさを貰って
 育つことができました

 全ての人のお世話になりました
 こんな私に目を懸けてくれました
 想像以上のものに違いありません

 今度は
 私が優しさを捧げたいと思います

 命名に誓って
 私の志として

 2000年(第25詩)

 「一人で…」

 居た堪れない気持ちを
 誰かに投げ付けたい
 耳を傾けてくれる誰かに

 私はここにいるよ!
  私を見つけて!
   私に笑って!

 わがままかもしれない…

 彷徨って居場所がないあなたを
 すくいあげたい
 行く当てを探し出すために

 あなたを守るよ!
  あなたが好き!
   あなたも笑って!

 おせっかいかもしれない…

 周りが見えなくなる孤独は
 いつも不幸と呼ぶ
 自分ばかりがこんな事にと
 思い込んでは縮む

 寂しさを溜めて
 切なくなって

 2000年(第26詩)

 「Love Letter」

 私たちはいつの日か
 お互いを意識して
 見つめていたね
 魅せられる性格
 一つ一つに
 好きという感情が
 目立ち始めるから

 最初はただ
 友達だったのにね

 あなたの声を聴くたびに
 私は甘くなる
 私の声を聴きたいと
 つぶやくたびに
 私は甘くなる

 あなたのせいだよ

 私はあなたを
 男にしたいと思うから
 あなたは私を
 女にさせて

 そして年をとって
 たくましい夫婦
 なるもんね
 
 2001年(第27詩)

 「友達」

 今では恋しい記憶は
 現実にあったものだと
 そう思いたい
 確かに確かに
 あったものだと

 別々の道を選んだとしても
 並行に歩んでいたこと
 覚えていよう

 生きてゆく
 あなたも私も

 忘れてゆく
 あなたが私を

 2001年(第28詩)

 「桜道」

 目を閉じても咲き誇る
 淡紅色
 星のような花
 競い合っては
 道を染めてゆく
 薄くちぎれそうな花びら
 舞い落ちる
 掴み取ろうと
 いっぱい手を広げて
 タイミングを狙ったけれど
 思いがけなく
 あなたの手から
 プレゼントされた
 これが私のお守り

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