1999年(第8詩)

 「Dear Earth」

 今日は(こんにちは)
 私はここにいていいですか

 もしあなたがいらっしゃらなくても
 私の心の真ん中で残存するでしょう

 もしあなたが帰ってきてくれるなら
 私のことを思い出して

 あなたが耀ふ(かがよう)のを見続けられたら
 私は安らかになれる

 1999年(第9詩)

 「眠り」

 時の流れを消し去るような
 すとんとした
 真っ暗な闇路

 闇の中では何が起きているのだろう
 五感も心も奪われてしまう

 忽然と映画が始まる
 登場するのは妖怪や愛する人
 ラストシーンを見続けることができず
 現実の世界に帰る

 どう考えて求めても辿れない
 この世を渡るように

 1999年(第10詩)

 「走る電車」

 人々を乗せ
 まれに動物や植物を乗せる

 音楽を乗せ
 必要でも不必要でもある情報を乗せる

 賑わいを乗せ
 まれに静けさを乗せる

 秩序を乗せ
 夢や希望のある自由を乗せる

 定められたレールの上なのに
 中身は変わり続ける物語

 走る電車
 走れ電車!

 1999年(第11詩)

 「温まろう」

 お風呂に入って温まろう
 湯気を見ながら温まろう
 しわができるまで

 ホットミルクを飲んで温まろう
 ゆっくり呼吸をして温まろう
 こんなにも寒すぎるから

 毛布にくるまって温まろう
 やわらかくなって温まろう
 大好きな誰かを思って

 自分にもっと温まろう
 自分をもっと好きになるために

 1999年(第12詩)

 「1999→2000」

 千の位が2に変わり
 百の位、十の位、一の位が0になる
 何かが変わり
 何かが戻る
 
 今までに出会った人達
 今までに起こった出来事
 地球が生まれてからの何億年
 を思い出すべき年
 
 恐れを恐れず
 善いことも悪いことも
 まっすぐに見つめ
 素直な純になろう

 みんなの幸せを願って

 1999年(第13詩)

 「天の住む場所」

 知らない場所には
 苦しみがない

 知らない場所には
 憎むことがない

 其処には愛が
 満ちている

 知らない場所には
 争いがない

 知らない場所には
 恐れがない

 其処には愛が
 あふれている

 互いの理解と
 互いの興味が
 あるだけのこと

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