これは絵本として1998年に作った物語です。


ある日、お姫さまは鳥さんと散歩に出かけました。
月で休み、雲で休み、海で休み、
木でお休み。
そこで休んでいたお姫さまは、人間たちをみて言いました。
「なんだかみんな幸せそうでいいなぁ。悩み事なんてなさそうだよね。」
「そんな事ないよ。みんな笑っているけれど、誰もが悩みを持っているものだよ。」
「それならどうして無理して笑っているの?」
長い間鳥さんは考えて
「たぶんね、みんな幸せになりたいからだと思うんだ。自分が笑っていれば、みんなも笑ってくれるでしょ。みんなが笑っていれば、自分も楽しいって思うでしょ。」
「それもそうだけど、泣きたいときに泣いて、怒りたいときに怒らないと、胸がつまっちゃうよ。」
「うん、そうなんだけど、ここにいる人達が笑っているだけで、この世界の中には絶対泣いている人達や怒っている人達がいるの。だから悩み事なんてなさそうだなんて言わないで。」
それからお姫さまは目を涙で潤ませながらいいました。
「ごめんね。もうそんな事考えない。教えてくれてありがとう。」
「そう言ってくれてうれしい。」
鳥さんも目を潤ませました。
そして、お姫さまと鳥さんはいろいろな人を助けるため、あちこちに飛んで行きました。

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