ときメモSEED
□1年目5月
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「…大丈夫か?」
「は、はい!大丈夫です」
「廊下は走るなよ。またこういうことが起きたらどうする?」
「すみません…」
もう一度頭を下げてから考えた。
この人は大丈夫なんだろうか?
「…先輩は大丈夫でしたか?私、重いし…お怪我は?」
「大丈夫だ。重くもなかった。ただ…」
言葉を切り、じっとこっちを見つめてくる。
どうしよう?ひょっとして何処かを打ち付けたのかもかもしれない。
「頬に何か当たったな。柔らかいのが」
「…え?」
「自慢していいぞ」
悪戯な笑みを浮かべ先輩が歩き出す。その背中を見つめながら考えた。
もしかして唇に当たったのって…。
私、キスーしちゃったの?