遡る事になるが、集団寮に新入してまず「一級生・二級生」の立場の違いを習う。二級生の間は下級生として出しゃばることは許されず、上級生である一級生をたてる。洗面・歯磨き・洗濯は全て室長(通常ルーム委員という)が一番に行い、次に部屋内で一番の新入り、二番目、三番目となる。テーブルに座る位置や、部屋内の席順等もしきたり通りだ。トイレ・洗面・洗濯場所は部屋別になっていて他を勝手に使用してはいけない。
ルーム委員・部屋替えは必要な時、毎月一日に先生が言い渡す。 ルーム委員には一級生でかつ生活態度の良いもの(判断材料はそれだけじゃないと思うが)が優先的に選ばれる。自由に物に触れることも出来ない二級生の間は、ルーム委員に従いながら生活する。
二の上の三ヶ月間、色々と部屋を替わりながら緊張の進級式に臨む。   体育館にて厳粛に行われる。毎月1日と15日の二回。一級の上から順に下へ該当者があれば名前を呼ばれ前に出る。そこで付けているバッジと新しいものを交換し元へ戻る。降級する者の場合も同様だ。 今回も自分は進級する事ができた。待ちに待った上級生ライフが始まる。
一級生になるとやっとTVの電源・掃除機・ご飯・洗濯機等に触れる事が許される。そして何か分からない事があった場合、絶対に二級生に聞いてはいけないしまた答えてもいけない。→「ご飯に触れる」については、配膳はもちろんルーム委員達が行うが、食事中のご飯のオカワリをする場合も、ルーム委員に頼んでよそってもらわなければならない。食事後、ホール掃除係が食器洗いと飯釜洗いをする時も飯釜に残った米だけは一級生がビニールに入れ、秤で量ることになっている。(おかずにオカワリはない)食べ物を配る等不正が起こりうる作業は、まず二級生にはさせてくれない。一級生とはある程度の自覚やらが生まれる頃とされている様だ。実際そうでなければ進級する事はない。この頃になって一級は親役,二級は子役という具合に全く正反対の立場である事を再認識した。
その次の進級式では普段から真面目に課業をこなしていた事が評価されてか「炊事生」を抜擢される。これを言い渡されると毎日人より少し早く起き課業ではなく炊場での仕事の補助を全て任せられ働く生活を送る。多少生活のリズムが皆とズレるため寮内の個室に入る事が多い。やる気がアップした。

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