簡単な事情聴取、手続きに必要な証拠物品の撮影等を一通りすませると留置されることになる。

当時そこの署には女・少年留置房に空きが無かったため他に空いている署がないかいくつか問い合わせ結局O署に移送されることとなった。

今回の自分の事件を担当することとなった少年課の刑事数人に覆面車で送り届けられた。
すでに夜中だったので静かに最初の留置手続きをして少年房に入る。
そこは定員二名(多分)。
先人が居て急な新入りに驚いたのか起こしてしまった。
布団を敷きその日はとりあえず寝た。
それから初めての施設生活が始まる。
朝起こされまず布団を所定の場所になおし掃除をする。
間もなく朝食が配られる。
食器口と呼ばれるところにゴム製風の食事マット、次にお茶、官弁。
官弁は底が少し深いタッパにご飯がよそってあり、その上に日替わりでおかずが一品だけのせられている。
目玉焼きとかなすのなべしぎとか卵焼きとかである。
好みによって醤油・ソースをかけることができる。食べたら婦警さんが回収しにくるのでちゃんとマットを布巾で拭いて食器口に出すことになっている。
その後は順番ごとに運動と呼ばれる、実質は屋内のテラスで単にひなたぼっこするだけみたいな日課がある。
大人であればタバコを吸う事が出来る。
少年は
婦警さんと談話するしかない。

洗濯は基本的に場内の全自動洗濯機で個々に行うので収容者は洗濯粉を購入する事と洗濯物を屋内の規定の場所に干す作業だけをする。
ちなみに洗濯は入浴がある日だけである。
付け加えると留置場では服を着替えられるのは週に二、三回の入浴がある時だけなのだ。

その他の時間は事情聴取があったり、現場検証のため外へ出たり、家裁へ行ったりと忙しい時はいいが何もない日は最悪である。

クソ暑いのにする事もなくただご飯の時間を待つだけ。
捕まって始めの四、五日間の間は流石に寝て寝て寝まくり、その間の出来事が所々記憶に残ってない程に。

何日も経つともちろん素面に戻るので昼など眠たくない。
唯一話し相手だった同房の先人も自分が眠りこけていた間に別へ移送されていて他にすることといえばボロいカセットラジカセから流れる割れ響くアンルイスの曲にあわせて小声で歌う位であった。

[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ