◎常動行動◎
S使用期間はまだ浅いK君。何やら売る仕事が忙しくなってきて始めはしないと決めていたのにあえなく挫折…すぐにハマり込みおかしな行動ばかりする様に。 とにかく車内に居る間、バックミラーでの後方確認をほぼ一秒置きに実行…数に表すと桁が凄すぎて大変な程。必ずシートベルト着用,スピードについては60キロ以上出した事がない素晴らしい人。しかしそれもこれも全て警察の目を自分に向けさせないという彼なりの対策法である事を付け加えておく。  K君は環状線に乗る。助手席にはなんと彼女。奇跡的な状況といえる。深夜の走行は車も少なく目的地により早く辿り着ける。そこの所が最も魅力的&有意義なのではないだろうか。しかし例外もある。それは目的地もなく乗った場合である…。K君は事故を起こさないよう実に注意深く慎重な運転を一生懸命続ける…ひたすらmyスターレットを走らせる…少し経つと彼女がそれに気付いた。「あ!!…ずーっと同じ所グルグル回ってるだけやん…!」 K君は何の問題もない素振りでちょっと暇やからな〜などとほざく。彼女は一瞬そんなK君の思考回路がとても心配になり同時に己の身の安全を何とか確保したいと強く願うようになった…そしていつの間にやら【四つあるタイヤのうちの一つが弛んでグラグラになり、今にも取れそうだ】というけっこうすごい恐怖体験に浸っていた…。完璧にそれは彼女がいきなり作り上げたモノだが彼女は下り坂になる度に「キャーッ!!」と叫ぶ。我慢しきれずK君に「早くそこのスタンド入ってタイヤつけてもらってよ〜!!」と懇願。いきなりなのでK君は驚いたのだろう。やっとの事で環状線を降りた。しかしK君は彼女が言っている事に対して特に何も思ってない様子。おかしとも、不思議とも、本当かなとも、何も…。そんな事よりいつもの様に安全運転をビシッと決め、鏡に映る自分の顔を見てただただ自己陶酔に浸るK君。
彼女の方は数日寝てない疲れからかやっと眠りについた。

彼女がグッスリ眠り目を覚まして辺りを見回すと、そこはやっぱりどこかの高速の上で、皆バンバン走ってる中を自分ら一台だけが端の方に寄って止まっている状態だった。原因のK君は何故かハンケツをこっちに向けて寝ている。
目的とか、理由とか、意味とかがよく理解出来ない行動ばかりである事に、彼女はK君にも自分にも少しずつ絶望し始める…。
それも虚しくこの後もさまよい続ける二人…

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