中等少年院送致が決定した瞬間、ある意味で居直った自分。どうせ変えられない現実なのだから、頑張って少しでも早く帰る事を心に決め、その目標通り、全ストレート、受けた試験は全て合格というけっこう珍しい結果を残しての一年間だった。増えた体重16キロ。身長は1cm伸びたらしい。確かに多少の体力の回復。いろんな知識を手に入れる事も出来た。しかし、出てからすぐに挫折。まずそれまでは気にする事の無かった、変わり果てた自分の姿を鏡で見た時に襲われる絶望感。一体どうやって世のギャル達に近づく事が出来るのか?そこまではいかなくとも増えた体重位何とかならぬものか…
で結局の所その後はというと以前よりまぁ何というか悪知恵ついたりなんたりでそれなりによい人生歩んどるといえばそうだし、まぁ可愛げが無くなったといってもそうだし。
なんと苑で仲良くなった同期の桜と連絡をとることが出来た。苑内で密約を交わしたのは二人。一人は自分と同じ日に仮退院し、もう一人は自分より先に入った先輩だが結局自分が先に出たので待つ形となった訳だがその先輩から出たという報告の電話がかかってきたのだ。久しぶりに社会の風に吹かれ不安や劣等感に押し潰されそうなのは一緒。似たもん同士どこかお互い救いの手を伸ばすように心の支えとして密かにその存在を刻み込んだ。


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