出院日は一の上進級一カ月後位にある「員面」委員面接が正式名称だったかは定かじゃないが満期仮退院が決定している場合を除いてみんな必ずこの少し堅苦しい面接を乗り越えなければ帰る日は未決も同然という訳。事前に書かされる書類もやはり難易度は高めで下手すりゃ書き直しばかりやらされる事になる。まぁほんの10分あるかないか程度のもんである。そうしてようやく決定した出院日の丁度一週間前に当たる日になるといきなり前置きなく先生に呼び出され「昼夜間個別」を言い渡される。これは寮の仲間達と本当に本当の別れを意味し、自分にとっては苑生活最後の総仕上げを意味する。思い返せばあっという間の月日だった。こう思ったのも、他の人よりいくらか順調に上へ昇る事が出来たことと少しは関係あるのかもしれないが10代の内は時間の経過感覚が大人より長く、一日待てと言われただけでも気が遠くなる思いをしていた位だ。一年間をどんな風にとらえていたか、おおよそわかって頂けるだろうか…。
そんなこんなで自分的にはなかなか盛りだくさんでまだまだ言い足りない事だらけの素晴らしい苑生活も最期を迎える。今でも心に残り続ける様々な出来事や貴重な出会い、後の人生に大きく影響した「自分自身」を見つめ直し、考えたり悩んだり、時に苦しみながら険しい葛藤を経て何かに気付く[[内省]]。やはり最終的に決めるのは自分。何をするにもどんな人生歩むにも。
それまでずっと表現しようのない「心の呪縛」から支配されてきた自分がそれからやっと解放されたのはこの一年のお陰だ。ずっとそれに気付かせようと働きかけてくれていた担任の先生だけでなく、全部をひっくるめ、自分と関わった何もかもに感謝の気持ちで一杯だ。どれ一つが欠けていても今の自分はありえなかったはずだ。現在は自分がこの世に生まれてから今日までの日々の中にほんの少しも無駄などなかったのだと思うに止まっている。。
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