その他夢
□一方的
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「コナー、大好き」
ある日の昼下がり
名無しさんはいきなり大好きと言ってきた
なんの脈絡もなくいきなりだ
一瞬何のことか分からなくLEDをチカチカとさせる
「…どうしたんですか、いきなり」
「大好きだから大好きなの」
からかっている様子もない
真剣な眼差しを向けられた
名無しさんの接点といえば通り過ぎる時に挨拶をするくらいで特別仲がいいわけでもない
やはり人間とはよく分からないものだ
「ごめん、嫌だった?」
「嫌ではないですけど…僕は君の事をあまり知らない」
「だろうね、でも私はコナーを知ってるよ」
ニコッ、と笑顔を向ける
とても無邪気な笑顔だ
「ハンクからよく聞いてた。聞けば聞くほどコナーの事が好きで好きで堪らなくなってしまったの。…一方的な事は分かってるけど」
嬉しそうにしたり、悲しそうにしたり彼女は忙しい人だ
でも、見ていて飽きない
アンドロイドである僕に恋心を抱くなんてとても興味深い人だ
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