その他夢
□永遠と時間
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名無しさんの誕生日
大好きなコナーが祝ってくれているというのに乗り気じゃない
「どうしました?あまり元気そうではありませんね…」
心配そうに顔を覗き込まれる
言い出せない、こんなくだらない事
言えるはずがない
何でもないよと伝え、注いであるシャンパンを一気に飲み干した
だが、流石にアンドロイドであるコナーの目を欺けるほどの演技力は持っていない
LEDをチカチカと点滅させながら心配そうにするコナー
冷たい手が頬に触れる
「僕が何かしてしまいましたか?ケーキが気に入らないとか、酒が気に入らないとか…」
頬に触れる手にソッと手を重ねた
冷たい手
人間とは違う、体温を感じない
だが、触り心地は人間のよう
キメの細やかさも人間そのものだ
「コナー…貴方は永遠にその姿なのよね」
「そうですが。それが何か?」
名無しさんは突然一筋の涙を流しジッとコナーの瞳を見つめた
「私は毎年誕生日を迎える。迎えれば迎えるほど老いていく。いつかはヨボヨボでシワシワのお婆さんになってしまう。けどコナーは違う、永遠の若さと美しさを持っている。私はコナーを見ていると歳をとるのが怖いのよ。いつか老いた私を見て失望するんじゃないかって…ね」
言葉を発する度、一筋の涙はやがて大粒の涙に変わっていく
泣き顔を見られないように手で覆うとするとコナーの手によって阻止された
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