Sweet

□テディベアに似ている
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「ニュニュウ〜…。」







ブルーベルは頬を膨らませて、子供じみた膨れっ面で白蘭を睨んでいた。
しかしその顔にあまり迫力はない。







「やだなー。ブルーベル、何が気に入らないの?」








びゃくらんはコロコロと笑ってブルーベルの殺気を気にしようとしない。
びゃくらんなんかブゥーだ!
どうしてブルーベルが怒ってるのかって?
簡単な話しよ。
ブルーベルはびゃくらんがだーいすきだけど、びゃくらんはブルーベルのことなんか眼中にないの。
相手にしてくれない。
今日だってブルーベルと遊ぶんだって一週間も前に約束してたのに!
それなのに、びゃくらんはチョイスの準備があるからってドタキャンしたのよ。
ひどいと思わない?







「べー!びゃくらんなんか、だーいっっきらい!」








心にもないこと。
大嫌いって言うだけで胸が熱くて張り裂けそうになったけど…。
びゃくらんは何も気にしてないように悠々とした態度でマシュマロを食べている。


これってやっぱり、ブルーベルの一方通行な想いでしかないのかしら?



そう思うと悲しくなって、びゃくらんの返事を待たずについつい反抗してしまった。


ほんとはね。
びゃくらんのことが大好きで大好きで仕方がないの。
でもブルーベルばっかりがびゃくらんのこと想って相手にされなかったら悲しいし…かっこ悪いもん。






体はいっつも自然にびゃくらんにベッタリしちゃうけど「好き」の言葉はまだ言えてないんだ。
言っちゃったら気まずくなるっていうか、びゃくらんは権力にしか興味ないかんじだし、ユニの人形娘なんかにお熱なんだもん。








いっそのこと。
ブルーベルがアルコバレーノのボスだったらびゃくらんを独り占め出来たかもしれないのに。
びゃくらんに持てるだけの力をぜーんぶ捧げてブルーベルだけを見てもらって…。


そう出来たかもしれないのに。





何でブルーベルじゃダメなの?






こんな風にヤキモチやいちゃうんだ。
ユニみたいになっても利用されるだけだけど、ブルーベルにはそれだけでいいの。
だってびゃくらんが大好きだから。






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