書物

□後遺症
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「ううっ……ひっく……くっ……」

「蛇骨、もう泣くな…大丈夫だ…」

「ひっく……うっ……兄貴ぃ……っ」


蛇骨は時々、夜泣きながら俺の部屋にくる。


『また思い出した』


そう言って涙を目に溜めてフラフラ部屋までやって来ては、俺に抱き着いてひたすら啜り泣く。

あることが後遺症みたいなものになってしまっていた。




それは数ヶ月前にさかのぼる。

あの時、蛇骨は1人で山を散歩していた。

丁度その時期、七人隊の噂を聞き恐れをなした大名が人質にするつもりで蛇骨を捕らえた。

蛇骨もすぐ逃げ出せると軽い考えでわざと捕まったらしい。

確かにそうだった。

次の日俺達七人隊が乗り込んで城の人間皆殺しにして蛇骨を助けた。

だが、蛇骨にとっての悪夢は捕まった日の晩に起こっていた。
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