捧げ物
□会議は最低2回
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夜、人々が行き交い賑わっていた城下町は静まり返り、鈴虫がか細く啼いている声だけが響いていた。
そんな街の裏通りに古く寂れた宿屋がある。
誰もが寝静まったはずの宿に一部屋だけ薄っらと明かりが揺れる部屋があった。
微かに聞こえる声と息遣い、しかも夜ということもあって中で何が行われているかは容易く理解出来る。
「はっ……ぉ…あにきぃ…」
「なんだ、蛇骨?」
「く、ち……欲しいよぉ…」
「あぁ…やるよ、好きなだけな」
優しく微笑み掛けるとその男、蛮骨はせがまれるがままに恋人に深く熱い口付けを落とした。
蛮骨の下に組み敷かれ着物を乱した女、蛇骨は嬉しそうにその唇に食い付き応えた。
その合間にも蛮骨は知り尽くした細い身体を弄び反応を楽しんだ。
「っ…ふぁっ……んんっ…」
必死に答えようとするのに蛮骨が胸を包むように揉んだり、突起を摘んで転がしたりするから蛇骨は気が気でない。
微かに肺に入ってくる酸素だけでは足りないと言うのに、口を塞がれて無理矢理啼かされては息苦しくて仕方なかった。
「んっ……ぁっ…あに…んぁっ…」
「…はっ……もう要らねぇのか?」
「……意地悪…」
「ハハッ、悪い悪い」
そう笑って額に唇を落としてやると少し機嫌を悪くしていた恋人は照れたように微笑み、再び愛撫を求める。
止めていた手をまた動かし、その柔らかい膨らみの先を口に含んだ。
指と違って粘着質なものが突起を掠める度に蛇骨は眉を顰めて声を漏らす。
強く吸われたり、時折カリッと軽くかじられたりすると腰の辺りが熱く疼いてくる。
「はっ…ぅん……ぁっ…」
「ん…気持ち良い?腰揺れてんぜ」
「んなこと……っひ…」
「嘘つくな」
「あっ……んんっ…」
言葉に弱いことを知っていてわざと蛮骨はそれで責める。
そのほうが感じやすくなるからだ。
否、そういう風に自分が仕込んだからだった。
「ココだってこんなに濡らしてなぁ…?」
「い…やぁっ……言わないで…」
指を2本中で掻き回してやるといやらしい音を立てて絡み付いてくる。
濡れるように出来た女の身体はそれだけで愛液をたらたら溢れさせた。
早くここに自分の物を突っ込んで中を満たしてやりたい、そう思いながらも蛇骨の身体を気遣って蛮骨は丁寧に秘部を慣らしてやる。
時々一番敏感な突起を引っ掻くと可愛らしい反応を示してくれた。
「ひっ……あっん…」
「イイんだろ?これが」
「あぁっ……ひぁ…兄…貴っ……も…」
「ん?」
「もう……挿れ…て…?」
「でもまだ慣らして…」
「いいからっ……お願い…」
「はぁ…仕方ねぇな」
そんな濡れた瞳でせがまれて断れる男なんているんだろうか。
反則だ、と若干の溜め息をつきながらもその口元には微かに笑みが浮かんでいた。
細い両足を抱えて間に体を滑り込ませる。
そして先程から待ちに待たせていた蛮骨自身を取り出しそこにあてがう。
「少し痛むぞ」
「大…丈夫…」
「力抜いとけよ…」
待っているのは蛇骨も同じだったらしく、早くとせがむように熱に帯びた息を吐く。
「っ……ん…ぁっ…」
「くっ……」
言われるままに蛮骨は勃ち上がった自身を秘部の中へと押し進めていった。
慣らしきらなかったその中はやはりきつい。
だが、その締め付けすら心地が良く一気に絶頂まで達したいという気持ちを押さえるのに蛮骨は苦戦した。
そんな蛮骨とは裏腹に蛇骨ははち切れそうに広がった秘部の痛みに顔をしかめていた。
「いっ……っん…」
しかし気を遣わせないためか声を出さないように必死に唇を噛み目を瞑って耐えていた。
途端、その唇に柔らかいものが触れて蛇骨は固く閉じていた目を見開いた。
焦点が合わずにぼやけてよく見えなかったが蛮骨の顔がすぐ目の前にあると分かったのはすぐだった。
そして、噛み締めた唇に解くように蛮骨が下を這わせているのも。
「痛いんだろ、蛇骨?無理すんなって」
「ちがっ……んぁっ」
「まぁどっちにしろもう止める気ねぇからな…もう少し耐えてもらうぜ」
そう言って蛇骨の頬に唇を落とすと、ゆっくりと蛮骨は腰を動かし始めた。
中が傷付かないようにと気遣ってくれているのがよく分かる。
だが、今の蛇骨に出来るのは蛮骨が動きやすいように下半身の力を抜くことだけだった。