書物

□蛇骨様のお戯れ
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「どうしたぁ?蛮骨の兄貴ぃ〜」

「おまっ……悪ふざけもたいがいに…っ」


コイツが喋る度に耳にくすぐったいような感じが走る。


「兄貴ぃ…身体震えてっけど……もしかして感じてんのか〜?」


くくっ、と腹の立つ笑い声が余計に響く。


「誰がっ!!」

「へぇ〜…じゃあ、こうしたら?」


途端耳になにか生暖かいモノが侵入してきた。
考える間も無く蛇骨の舌だと分かった。


「っ……蛇…骨……やめっ…くっ」


らしくもなく身体を震わせてるのが嫌という程分かる。


「蛮骨の兄貴ぃ…どうだ?…愛でられる気分は…」

「っ………ぅ……」


顔を背けてもしつこく追ってきてまた舌を入れられる。

見えないせいか音と感覚に異常に冴えてて、耳だけでも結構辛い。


「ごーじょーだなぁ…んじゃこっちも」


まるで人形遊びでもしている女みたいに楽しそうに声を弾ませる。

遊ばれてるこっちの気も知らないで…


「余所事考えるなって」

「ぁっ……つめたっ……!」


蛇骨の冷たい手が俺の着物の間から肌に触れる。

そして突起を弄りだした…慣れた手つきでゆっくりと…。


「くっ……う………」

「なぁ気持ち良いだろ〜?いっつも兄貴はこうやって俺の身体弄くり回してさ……」

「あっ……蛇骨っ!…もう本当に……い゙っ!!」


身体を駆け巡る嫌な感じとは別に、首筋に鈍い痛みを感じた。

抵抗したのが気に食わないのか、痛みに歪む顔が見たいのか、蛇骨が噛み付いたらしい。

「てめぇ……っ」

「あ〜…やっぱ血はうめぇなぁ……特に、兄貴みたいな男の血は格別だぜ〜」

「………イカれてるぜ」

「そんな奴を抱いてる兄貴も…同類だろ?」

「はっ……違ぇねぇな」


否定は出来ない。
平然と血が美味いなどとほざくコイツは異常だ。
そんな奴に惚れた俺は同じくらい…

…いや、それ以上に…
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