復活文
□さぁ、一緒に不思議の国へと参りましょう
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童話の中のアリスは時計を持ったウサギに招かれ、不思議な世界へと招かれる。
この世界のオレは、不可解な女の存在によって、この恋の道へとひきずりこまれた。
「どうしたの?」
「いや、別にたいしたことじゃねーし」
「ならいいんだけど」
童話の中のウサギってのは結局、アリスに捕まることもなくただ単にアリスを引っかけてただけの存在、
だったはず。
オレの記憶違いかもしんねーけど。
「なぁ、アリスってなんでそんなにウサギに夢中になってんの」
オレの質問にクロームは一気に目を丸くさせた。
「べ、ベル・・・?だいじょうぶ、頭?」
「あくまであいつ人間じゃん。ウサギになんでそこまで執着してんの?」
「いや、あの・・・ね」
「オレ、それ超疑問なんだけどさ」
クロームは溜息をつくと、オレに軽くほほえみかけた。
「たぶん、アリスはウサギさんに恋しちゃったんじゃないの?」
・・・・は?
いやあくまで人間と動物だぜ?
それ、なにいったい。
「恋ってのは、いちどすると抜けられないんだよ?私的な解釈だと、不思議な世界ってのは恋の世界だと思うの」
・・・だめだ、こいつ。
こいつのほうが脳内花畑感あんだけど。
「あー・・・わかったわかった」
「そ、それ絶対聞いてないでしょ!」
でもまぁ、恋の世界ってのはなかなかに納得できる答えでもある。
確かにオレも、恋するまでは、
「恋」なんてそんな非現実なものが実際に存在するとは気づかなかった。
「・・・もしかしたら、不思議な世界ってのは結構身近なものなのかもな」
周りの人間たちがそれに気づかないだけだったりしたら・・・?
それはそれで面白いんじゃねーの、ししし!
「・・・ベル?今日どうしたの?意味不明なことばっか言ってるよ?」
「だいじょーぶ、とりあえずお前への愛は変わんねーから」
お前とならばワンダーランドも悪くない