復活文

□またねサヨナラ
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骸様が白蘭の手によって消されてから早二週間。




そろそろ私も骸様が隣にいない環境に慣れてきて、ゆっくりと夢を見るようになった。








けれど、ふとしたときに骸様の存在を思い出す。





棚の上にあるモノがとれなくて、思わず骸様を捜したりしたとき。
ネックレスがつけれなくて、骸様につけてもらおうとしたとき。






そのたびに後ろを向いて、「骸様」と声をかけるけれども、




誰からも返事は来ない。









そして、ようやく骸様の弟子とかいうフランから連絡が来て、骸様が死んだことを聞いた。








骸様はやはり白蘭には勝てず無念の最期を遂げたということだった。




その知らせを聞いても、何事もなかったかのように振る舞う私に、犬はいらだちを感じていたらしかった。





「・・・お前、あんなに骸さんにしてもらったのに、なんでそんなにあっさりしていられるびょん!!!」








私は悲しかったわけでもつらかったわけでもなかった。

ただ、骸様がいなくなったことだけを感じていた。




けれど、犬の涙混じりの怒号にふと胸をつかれた。







ワタシハカナシクナイノ・・・?
ワタシハサビシクナイノ・・・?








私は骸様の前では一度も涙を見せなかった。
それが、私を助けてくれた骸様に対する一番の礼になると思っていたから。



私はこんなに楽しく過ごしてるよ、と骸様に証明していたかった。







骸様が怪我をしたときも何週間も連絡がなかったときも、涙ひとつ見せなかった。






骸様はそんな私を見てどう思っていたんだろう。




強情な子、自分の存在なんてこの子に対してはなんの意味もない、と思っていたのかもしれない。








でも、今更ながら骸様に涙を見せたくはなかった。



どうせなら、最期までありのままで。









骸様によって作られた内蔵もそろそろ限界を迎えようとしていた。




犬と千種には買い物に行くとつげ、




骸様のお墓の前に来た。










そして、小さくつぶやく。





「骸様と出逢えて本当に嬉しかったです」







地獄から救ってくれたあの人を愛しく思わないわけがない。






「骸様や犬、千種と過ごした時間は本当に楽しかったです」




今更ながら、涙を見せない以外にも楽しく過ごした時間を証明出来たことにも気づく。








「また・・・会うときは・・・あなたといつまでも笑い会っていたいです・・・」






またね、サヨナラ、骸様。










































わけわからない。
悲恋?死ネタ?


一応自殺系は年齢制限にはいってます。

骸が死ぬ=クローム死亡ですよね。

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