DRRR!! 短編

□君は笑う
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君は、いつでも笑っている

楽しいときも

辛いときも

なにがあっても

俺はたまらなくその笑顔が気に入らなかった

「ねぇ?どうして君はいつでもわらっているの?」

俺は唐突に聞いてみた

「私…笑っているの?」

返ってきた返答はこれだった

「なに?自分で気づいてないの?」

「そう…私…笑っているのね…」

そんなことをつぶやきながら

彼女は妖艶に笑う

「(気にくわないな…)」

「ねぇ?折原君私、いま笑っているかしら?」

「うん、そりゃぁもう憎たらしいくらい」

「あらそう、ごめんなさい憎たらしくて」

彼女は表情を崩さないまま答える

「もっと、ほかの表情はできないの?」

「ほかの…表情…どういった…ものなのかしら…」

「しらないの?」

「えぇ」

「だって私」

彼女は俺が予想していなかった答えを打ち明ける

「感情がいくつか欠落しているらしいの」

「だから、みんなが楽しいとおもっているときも、つらいときも悲しいときも…私はわからないの」

無表情なのかしらって思っていたら、私笑っているのね

そんなことを他人事のようにつぶやいている

「ふぅん…そうなんだてっきり何も考えていないんだとおもっていたよ」

「そんなことないわ…多分」

「多分なんだ、まぁどうでもいいけどね」

俺は興味がなくなったので、帰ることにした

「あらっ帰っちゃうの?」

「まぁね、興味なくなっちゃた」

「そう…もっとお話したかったわ」

「俺は話したくないね」

「じゃぁしかたがないわね」

「ねぇ、普通女の子にこんなこと言えば、たいていは泣くか怒るかなんだけど」

「そうなの?私はわからないわ」

「君といると調子が狂う」

「ごめんなさいね」

「はぁ」

なんだか、彼女と話していると疲れる

俺は早々に教室を出ようとした

「さようなら、折原君」

振り返ると、彼女はいつもと変わらない、笑顔だった

「ばいばい…」

なんだか、今のみてて心地よかった






君は笑う




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