過去拍手

□甘
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*甘

「南沢さん、へ。俺で、す。倉間、です。あの、今日、暇、です、か?よかった、ら、一緒に、映画、見に、いきま、せん、か?」

 送信。はぁ、と息をつく。こんな短い文の考えるのにいったいどれくらいの時間を費やしたことか。
 ちなみに、俺と南沢さんはしばらく前から付き合っている。けど、まだなれない。あの人はいけない。本当にいろいろエロい。いちいちエロい。おかげで俺は四六時中ドキドキしっぱなしだったりする。
 そんなことを考えているとヴヴヴ、と携帯がなる。内容は、

『なんでお前俺のメアド知ってんの?』

とのこと。この間交換したやろがい。でも想定内の内容だったのであきれながらも返信する。

『あれ?この前交換しましたよ。ま、登録お願いします。で、一緒にいけるんすか?』

『え、何の話?』

『一番最初のメールっすよ。映画、一緒にいけますか?』

『映画?何の?』

『この前から始まったホラーです』

『何で?』

『いや、なんとなく。ホラー嫌いっすか?』

『いいんだけど』

「了解、っす。だったら、1時間、後、に、駅前に、集合、っす。じゃ、あとで!」

 と文章を打ち込み、送信しようとした瞬間、また新たにメールが届く。誰からか。と思ったらなんと南沢さんからで。は?まだメール返信してないんだけど、と思いつつメールを読むと、

『遅い。先輩を待たせる気かよ』

と、いう文章だった。
 びっくりして窓から家の前を見るとそこには南沢さんが既にいた。わーお、と思い、さっきの文章を全部消してこう返信をした。

『南沢さん、俺とデートすんの、そんなに嬉しいんすか?』

 ニヤニヤしながら階段を降りる。返信が来ないから、これは、図星?
 家を出た瞬間顔を真っ赤にした南沢さんがみえたので俺は思い切り飛びついた。





甘くない。微糖なの?



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