イナズマJ

□はっぴー!バレンタイン!
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 世間は、バレンタインという行事一色にそまっている。


 だがしかし。

 その行事は女が男に、あるいは友チョコで女が女に、逆チョコとして男が女にチョコレートを渡す行事であり。

 断固として男が男にチョコレートを渡す日ではない。



 だったら。

 何で俺はエプロンをして食堂に立っているのだろう。


吹雪「さーくーまーくーん!
   何してるのー!早くチョコつくるよー!」

緑川「こら佐久間ぁ!
   早くお湯沸かせぇ!!お湯がぬるくなってきた!」

風丸「さっさとしろこの厨二眼帯野郎!
   ぼーとしてたらお前の分のチョコ俺がたべるぞ!」


 何故俺はエプロン姿の3人の男共に怒鳴られているのか。


 あぁ、そうか。
 昨晩俺、吹雪にチョコ作るのを誘われていたっけ。

佐久間「あ、俺さ、やっぱりさ、あのさ、そのさ、チョコをさ、渡すつもりない・・・てか、なんでお前らチョコ作ってるの?」

吹雪「は?」

緑川「は?」

風丸「はぁ?」

佐久間「は?」

吹雪「え、佐久間君チョコを作らないつもりだったの?!
   キミは人間!?生きてるの!?死んでるの!?生きている価値あるの?!」

佐久間「ちょっと酷くない?」

吹雪「あーあ!かわいそうな源田君!!
   かわいそう過ぎて涙がでてくるわ!!!」

風丸「吹雪、口調おかしい」

緑川「うん、ちょっとあっち系のにおいがしてくる。
   あと佐久間500回源田に謝って来い、5分未満でな!!」

佐久間「は、なんで?!」

風丸「黙っとけよ、見た目女装趣味」

佐久間「俺の扱いだけ、酷くないか!?」


 あぁ、本当にチョコを作る気ないのに。

 そもそもチョコを作るって何だよ。
 市販の板チョコを溶かして固めるだけじゃないかよ。
 南国のほうにいってカカオの豆から作るのならわかるけど、単にチョコを溶かして固めたものを手作りといっていいのかよ。

 1人で考えて1人でイライラしてる俺、正しいよな。
 だって、何故男が男にチョコをやる?

 俺はいたって正当だよな。うん。


 3人のじとっとした視線を真に受けながら、めげない俺、すごい。って思ったらぽん!とお湯が沸いた音がした。

緑川「あ、お湯沸いた」

風丸「おー、チョコとかすぞー」

吹雪「そだねー」

緑川「木ベラある?」

吹雪「ここ、あるよ」

緑川「貸してくれー」

吹雪「はーい」

風丸「トッピングのチョコチップあるか?」

緑川「ここあるぞ、へい!」

風丸「さんきゅー」

佐久間「……」

緑川「そうだ。2人とも誰にあげるの?」

吹雪「そりゃぁ、もう豪炎寺君しか居ないよ、僕の眼中には」

風丸「あれ、染岡は?」

吹雪「やめようよ。料理中にそんな人の名前を出すの。つか、誰それ?」

風丸「あ、なんかごめん」

吹雪「いいよいいよ風丸君。悪いのはあのピンクの生命体だから。
   緑川君は誰にあげるの?」

緑川「俺?俺はなー。ヒロトと晴矢と風介と砂木沼さんとか。
   風丸と吹雪にもあげるよ!」

佐久間「……」

緑川「そういう風丸は誰だよ。言えよ」

風丸「…お、俺は…」

吹雪「照れてもちっとも萌えないから。さっさと言えコルァ」

風丸「はい。
   えーと、宮坂にあげようと思って…」

緑川「あー。あの「風丸さぁん!」っていうやつね。はいはい」

吹雪「今の、似てたよ」

緑川「まじかww」

佐久間「……なぁ」

吹雪「そういえば、さぁ」

風丸「ん?」

吹雪「木野さんと久遠さんと雷門さんってさ、キャプテンが好きだよね」

風丸「あ、確かに」

緑川「あ、待って。誰よ、雷門って」

吹雪「髪が長いお嬢さんだよ。ほら、雷門イレブンに居たマネジ」

緑川「あいつか。で、え?円堂が好きだって?まじかよ」

風丸「別によくね?俺たちカンケーねぇし」

緑川「確かにw」



佐久間「……お前等さ!!なんなの!!そんなに俺をハブにしたいのか?!
    俺は、べ、べつにどうでもいいけどさ!!
    源田が寂しがるなら、一緒にチョコを溶かして固めてやっても、いいん、だぜ?」


吹雪「………え」

緑川「……居たんだ」

風丸「………ツンデレっぽくしてもちっとも萌えないぞコラ。一緒に作りたいなら土下座してでも頼み込めよ」

吹雪「いいよ、風丸君。
   きっと佐久間君、寂しかったんだよ。多分絶対に。
   さぁ、佐久間君も作ろうよ!」

 差し伸ばされた手を、俺はしっかりとつかむ。

 やっぱり、俺たち仲間だな!
 少しはハブにされたかと思ったけど、俺の思い違いだったらしい!!

 さぁ!!一緒にチョコを溶かして固めよう!

(佐久間の顔、目はベルサイ●薔薇っぽくなってます☆)






 3時間後―

冬花「な、何ですかこれ…。
   …あ、チョコ!チョコですか!
   とっても上手ですよ、はい。…見ただけで失神しそうなくらいに。
   あ、いい意味でですよ」








はっぴーばれんたいん!








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