イナズマJ
□はっぴー!バレンタイン!
1ページ/1ページ
世間は、バレンタインという行事一色にそまっている。
だがしかし。
その行事は女が男に、あるいは友チョコで女が女に、逆チョコとして男が女にチョコレートを渡す行事であり。
断固として男が男にチョコレートを渡す日ではない。
だったら。
何で俺はエプロンをして食堂に立っているのだろう。
吹雪「さーくーまーくーん!
何してるのー!早くチョコつくるよー!」
緑川「こら佐久間ぁ!
早くお湯沸かせぇ!!お湯がぬるくなってきた!」
風丸「さっさとしろこの厨二眼帯野郎!
ぼーとしてたらお前の分のチョコ俺がたべるぞ!」
何故俺はエプロン姿の3人の男共に怒鳴られているのか。
あぁ、そうか。
昨晩俺、吹雪にチョコ作るのを誘われていたっけ。
佐久間「あ、俺さ、やっぱりさ、あのさ、そのさ、チョコをさ、渡すつもりない・・・てか、なんでお前らチョコ作ってるの?」
吹雪「は?」
緑川「は?」
風丸「はぁ?」
佐久間「は?」
吹雪「え、佐久間君チョコを作らないつもりだったの?!
キミは人間!?生きてるの!?死んでるの!?生きている価値あるの?!」
佐久間「ちょっと酷くない?」
吹雪「あーあ!かわいそうな源田君!!
かわいそう過ぎて涙がでてくるわ!!!」
風丸「吹雪、口調おかしい」
緑川「うん、ちょっとあっち系のにおいがしてくる。
あと佐久間500回源田に謝って来い、5分未満でな!!」
佐久間「は、なんで?!」
風丸「黙っとけよ、見た目女装趣味」
佐久間「俺の扱いだけ、酷くないか!?」
あぁ、本当にチョコを作る気ないのに。
そもそもチョコを作るって何だよ。
市販の板チョコを溶かして固めるだけじゃないかよ。
南国のほうにいってカカオの豆から作るのならわかるけど、単にチョコを溶かして固めたものを手作りといっていいのかよ。
1人で考えて1人でイライラしてる俺、正しいよな。
だって、何故男が男にチョコをやる?
俺はいたって正当だよな。うん。
3人のじとっとした視線を真に受けながら、めげない俺、すごい。って思ったらぽん!とお湯が沸いた音がした。
緑川「あ、お湯沸いた」
風丸「おー、チョコとかすぞー」
吹雪「そだねー」
緑川「木ベラある?」
吹雪「ここ、あるよ」
緑川「貸してくれー」
吹雪「はーい」
風丸「トッピングのチョコチップあるか?」
緑川「ここあるぞ、へい!」
風丸「さんきゅー」
佐久間「……」
緑川「そうだ。2人とも誰にあげるの?」
吹雪「そりゃぁ、もう豪炎寺君しか居ないよ、僕の眼中には」
風丸「あれ、染岡は?」
吹雪「やめようよ。料理中にそんな人の名前を出すの。つか、誰それ?」
風丸「あ、なんかごめん」
吹雪「いいよいいよ風丸君。悪いのはあのピンクの生命体だから。
緑川君は誰にあげるの?」
緑川「俺?俺はなー。ヒロトと晴矢と風介と砂木沼さんとか。
風丸と吹雪にもあげるよ!」
佐久間「……」
緑川「そういう風丸は誰だよ。言えよ」
風丸「…お、俺は…」
吹雪「照れてもちっとも萌えないから。さっさと言えコルァ」
風丸「はい。
えーと、宮坂にあげようと思って…」
緑川「あー。あの「風丸さぁん!」っていうやつね。はいはい」
吹雪「今の、似てたよ」
緑川「まじかww」
佐久間「……なぁ」
吹雪「そういえば、さぁ」
風丸「ん?」
吹雪「木野さんと久遠さんと雷門さんってさ、キャプテンが好きだよね」
風丸「あ、確かに」
緑川「あ、待って。誰よ、雷門って」
吹雪「髪が長いお嬢さんだよ。ほら、雷門イレブンに居たマネジ」
緑川「あいつか。で、え?円堂が好きだって?まじかよ」
風丸「別によくね?俺たちカンケーねぇし」
緑川「確かにw」
佐久間「……お前等さ!!なんなの!!そんなに俺をハブにしたいのか?!
俺は、べ、べつにどうでもいいけどさ!!
源田が寂しがるなら、一緒にチョコを溶かして固めてやっても、いいん、だぜ?」
吹雪「………え」
緑川「……居たんだ」
風丸「………ツンデレっぽくしてもちっとも萌えないぞコラ。一緒に作りたいなら土下座してでも頼み込めよ」
吹雪「いいよ、風丸君。
きっと佐久間君、寂しかったんだよ。多分絶対に。
さぁ、佐久間君も作ろうよ!」
差し伸ばされた手を、俺はしっかりとつかむ。
やっぱり、俺たち仲間だな!
少しはハブにされたかと思ったけど、俺の思い違いだったらしい!!
さぁ!!一緒にチョコを溶かして固めよう!
(佐久間の顔、目はベルサイ●薔薇っぽくなってます☆)
3時間後―
冬花「な、何ですかこれ…。
…あ、チョコ!チョコですか!
とっても上手ですよ、はい。…見ただけで失神しそうなくらいに。
あ、いい意味でですよ」
はっぴーばれんたいん!
*