イナズマJ

□根性なめんな
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 「はーい、練習おわり!着替えて食堂にきてください」

 疲れていて誰かわからないけど、マネージャーの誰かの声がした。

「あぁ、つかれた」

 練習後、いつもこの言葉をついつい口にしてしまう。

 緑川が離脱してから数ヶ月。
 なんだけど、もう俺は2、3年過ぎたように感じる。

 おなか減った。

 できるだけ急いで宿の自室に帰る。
 それで勢いつけてベッドにダイブする。
 そうしたら疲れが取れる感じがするんだ。

 助走をつけて自室のドアを開くと、・・・あれ。



 なんだあれ。

 なんか俺のベッドに何かいるんだけど。

 おそるおそる近づく。


 そう、ベッドに寝ていたのは。

「み、緑川!?」

 緑川本人だった。
 
 褐色の肌。
 緑の髪の毛。
 黒くて長いまつげ。

 間違いなく緑川だ。


 え、じゃぁなんでここにいるの?
 
 寝てるのはきっと時差ボケのせい・・・え、なんでここにいるの?

 ていうか、なんでここに入れたの?


 
「・・・ト・・・」

 寝言が聞こえる。

「ヒ・・・ト・・・・ヒロト・・・」


 俺を呼んでいる。



 もしかして、緑川・・・

「俺に会いに来てくれたの?」

 話したいから緑川を起こす。
 しかし、何度も揺さぶっても緑川は起きない。

 しかも、腕をつかまれた。
 寝ているとはいえ、かなりの力だ。
 いったい、どのようにしてこの細い腕からこんな力が出ているのだろう。


「緑川、そろそろ起きろよ」

 話しかけても起きない。
 腕を放さない。

 ので、床に落とすことにした。

 腕を思い切り引いた。
 そしたら、緑川もベッドから落ちた。
 同時に「だっ」っていう規奇声が聞こえた。

 緑川が頭を上げる。その瞬間に目があった。

「ヒロト!」

 で、抱きつかれた。


「え、え、なんで、え、え!ちょ、ちょっと」

「会いたかったー」

「話聞いてる?!」

「この遠距離でのワープドライブはさすがにキツかった!」

「え、ワープドライブで来たの!?交通費とか浮いていいなぁ。・・・てか、話聞いてる!?」

「染岡とかいうヤツ気にくわねぇ^。^」

「顔文字使った?!何でもアリか!」

「つーか、ベッドふかふかだったww」

「まぁ」

「てか、あのテレスとかいうやつ、腕太くね?大根くらいあるぞ?」

「俺たち、負けたんだけど」

「エドガーもエドガーで風丸のパクリだよね」

「英国の料理、おいしかったけど」

「俺だったら絶対アンデスの不落の要塞なんて落としてやるw」

「話をちょこちょこ変えないでくれる?」

「やっぱり染岡、気にくわねぇ^Р^」

「どんだけ染岡君嫌いなの?!あと、顔文字変えれるの?!どんだけレパートリーあんの?!」

「・・・突っ込みくどい。会っていない期間が長かったからその分突っ込みがくどいんかい!」

「え、なんで俺渇入れられてんの?」





「だから俺、代表に復帰する!」




 ドン、という効果音が聞こえそうなくらいはっきりと高らかに告げる。

「ごめん、なんでそうなるの。話の方向性が不透明」

「いや、なんだってヒロトと一緒にいたいから」

「あ・・・うん」

 そんな素直にいわれては、こっちが困っていまう。
 しかし、まぁ、年上のプ、プライドとかなんとかあるもんだ。
 だから・・・そうだ、うん、ニヤケとかほっぺを赤くさせたりはしない。

 そのため、話を無理やり変える。
 

「今日、吹雪君が復帰したんだ」

「へぇ、足が折れたのに?」

「怖いよ。正確には足の骨。まぁ、それで栗なんとか君が日本に帰ったんだ」

「栗なんとか?そんなヤツいたっけ?」

「うん、俺も覚えていない。でね、」

「うん」

「そのね、わかる?」

「何をね」

「監督が認めると思う?」

 あー。
 直に言い過ぎたかな、とかちょっとの後悔もできないくらいすぐ緑川は答える。

「思う!」

 あぁ。
 もうとめられないなぁ。



 そのあと、染岡君をチームから離脱させるために怒鳴りに緑川は行って、そのとき染岡君が吹雪君にヘルプを求めたけど、運悪く・・・てかまぁ、吹雪君は豪炎寺君につきっきりで軽くスルーされ、緑川がぼこぼこにして、監督から染岡が離脱する、という言葉が出るまでずっとワープドライブでチームのみんなの安眠妨害をして、やっとのことチームに復帰できました。






『なぁ、ヒロト!』

『ん?』

『今日一緒に寝ていいか!?』







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