星空に祈りを
□素直じゃないよ、君は
2ページ/2ページ
SeeD就任パーティー。
私はそこにサイファーと二人でいた。
「ねえ?サイファー。スコールと踊ってる子、誰かな?」
ウェイターからもらったシャンパンを口に運びながらサイファーに聞く。
相変わらず無愛想だがちゃんと話しは聞いてくれるサイファー。
ガーデンの問題児なんて言われてはいるが、素直じゃないだけだって私は知っている。
「あん?」
「ほら、あそこ」
さっきまでは上手く踊れずにコテコテだったのに今では会場の女子が(少なくとも私は)注目するほど上手だった。ステップを踏む姿がかっこいい。
「スコール、かっこいいね」
私が素直にそう呟けばサイファーは舌打ちをした。
「なあに?ヤキモチ?」
「誰がお前なんかに妬くか」
「ふーん」
私が含み笑いをすればサイファーはもっと機嫌が悪くなった。
困ったなあ、これ以上機嫌を損ねれば彼は広間から出て行ってしまうかもしれない。
「私もサイファーと踊ってみたいな。」
「はあ?」
「サイファーが踊ったら、きっとスコールよりかっこいいもの」
私が微笑めばサイファーはそっぽを向いてしまった。
「サイファー?」
不思議に思いサイファーの顔を覗き込んだ。
心なしか頬が紅く見えるのは気のせいだろうか。
「照れてるの?」
「照れてるわけねえだろ!」
素直じゃないよ、君は
そういう所も好きなんだけどね
(照れてるサイファーもかっこいいよ)
(だから、照れてねえつってんだろ!!)
(顔が赤いのは私の気のせいなのかな)
(……?!)
-fin-