男として

□学校生活
1ページ/7ページ

季節は夏。

今日も放課後、皆で部活動に励んでいる。

のだが。

アームウォーマーをしているせいか、体がすごく火照っていて熱い。

喉もカラカラに乾いている。

試合の途中なのに・・・。

「危ないっ」

シュッ

玉が飛んできた。

あぁ。

私のせいでレギュラーを外された、鷹センパイだ。

バシッ

玉が頬に当たり、私はその場に倒れこんだ。

「未依っ・・・俺、保健室連れて行きます。」

(あんな玉・・・未依なら簡単に避けられた筈なのに・・・。)

「先生・・・いないな。とりあえず着替えさせないと。すごい汗・・・。」

俺はとりあえずユニフォームから制服に着替えさせることにした。

体見ることになるけど・・・ごめんな。

仕方ないんだ。

「っ!」

目に入る無数の傷痕。

あいつ・・・まだ、やめてなかったのか?

「はぁ・・・」

取りあえず着替えさせた。ベッドに運んだけれど、ものすごく軽くて、驚いた。

ピタ・・・

頬に手をやる。

ものすごく、熱い。

「ん・・・」

起こしちまったか?

「いた、い・・・」

見ると、頬がさっきの衝撃で腫れていた。

湿布を張るとするか。

まったく、世話が焼けるんだから。

にしてもあいつ・・・鷹だったか?最低な奴だ。弱ってるところにつけこむなんて。

早くよくなるといいけど・・・。

ガラガラッ

「あら翔くん?部活はどうしたの?」

「あー、み、結城が部活中に倒れて。その看病です。」

「まぁそう。私これからずっといるから、もう行っていいわよ。部活途中でしょう?」

「あ、はい。ありがとうございます。」

「未依ちゃんたら・・・無理しちゃって。」


ん・・・またあの夢だ・・・・・・。

『お前はイラナイ子なんだよ!』

『手紙に書いてあったろう!』

『早く死んじまえ!』

『この魔女が!』

『キモチワルイんだよ!』

『死ね!』

『死ね!』

『そのほうが皆のためなんだよ!』

『死んじまえ――――・・・』


つー・・・と、涙が頬を伝った。

目をあけると、知らない場所。

(保健室・・・?なんで・・・)

「あら未依ちゃん、目覚ました?ってえ、なんで泣いて・・・」

「え・・・?」

自分でも気がつかないうちに、泣いていたみたい。

私は声を殺して泣くのが昔から得意だから。

「すみません、なんでもないです。もう帰りますね。」

「えぇ、それならいいけど。翔くんがここまで運んでくれたのよ、お礼言っておきなさいね。」

「(翔が・・・)はい。」

---------------
From:未依
To:翔

今日はありがとう。
---------------

---------------
From:翔
To:未依

気にすんな。
---------------

・・・翔はぶっきらぼうだな。

私は足早に家に帰り、眠りについた。

*
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ