君はMorpho

□君はMorpho.\
2ページ/57ページ

第41話 必要なもの






―幸村視点―――



『―――マネージャー、辞めます。』



リオのその言葉に目の前が真っ暗になったと同時に、どうしてわかってくれないのかと憤りを感じた。


俺達は無敗ではならない王者立海だ。

関東大会でそれを破ってしまったのだから、この全国大会では負けは許されない。


必ず優勝しなくてはならない。


長い闘病生活から復帰した俺が、率いていかなければ。



3連覇という掟の為に。



そして、優勝してみせると誓ったリオの為に―――。








「それなのに…っ」



幸村はリオの両肩に手を置いた。


びくりと震えたリオの、その瞳をじっと見つめる。



「どうして琴音も、リオも同じことを言うんだ…!! 勝つために必要なことを、どうして理解しない!?」

「っ、幸村先輩…」

「どうして…っ!」



リオが哀しんだ瞳で俺を見た。


わからない、わからないわからない。



「リオっ!」

「落ち着け幸村!」



リオの両肩に置いた手に力を込めたとき、真田が俺の肩を掴んだ。


潔くリオの肩から手を放せば、真田はリオの前に立った。







.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ