君はMorpho
□君はMorpho.[
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見習ってリオも作業に戻ろうとすれば、ふいに痛んだのは頭。
「痛…」
最近やけに多くなってきた、頭痛。
ツキリとこめかみが痛くなるだけのときもあれば、後頭部を殴られたときのようなズキズキとした痛みのときもある。
「今日はやけに痛いな…」
もう、と持っていたペンでびしびし頭を叩いているとその手を誰かに掴まれた。
「ぬ?」
「リオさん。何をしているんです?」
振り返った先には柳生がいて、メガネを押し上げてリオを見る。
「頭が痛むのですか?」
「…はい、最近少しだけ…」
困ったように笑いながらも素直にそう答えれば、柳生はため息を吐いた。
「あれほど、何か異常があったら診察に来てくださいと言ったではありませんか」
「…えーと」
柳生のその言葉にリオが困ったように首を傾げれば、柳生はリオの頭を撫でる。
「まだ痛みますか?」
「はい…」
「何かあったらいけませんし、今から時間をもらって私の父のところへ行きましょう」
まだ朝早い作業の時間帯ですから。
そう言って微笑む柳生に、リオは首を振った。
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