君はMorpho

□君はMorpho.[
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第36話 サナギ





最近になって、周囲が騒がしくなった。


原因は、数多くいる女子生徒の中から選ばれた副委員長がやけに立海ブースに現れるからだろう。






「あはは、幸村先輩ってば意外と天然なんですね!」

「そうかな…。今まで言われたことなかったけど…」



視線すら合わせないようにする幸村に対し、くっついて回るのは結崎だ。

それを見て不機嫌になるのは何故かリオではなく。



「何アレ。あのコ跡部目当てで副委員長になったんじゃなかったの?」

「部外者が軽々しく入ってくるとは…全くたるんどる!」

「……えーと」



琴音と真田が仁王立ちして、交互に似たような言葉を吐いている。


その間ではリオがどうしていいかわからずに立ち尽くしている。



「あったまにくる。今日サボるから」



琴音がそう吐き出して、結崎を睨み付けてブースを出ていく。


それを追いかけようとしたリオの肩を、真田が掴んだ。



「好きにさせてやれ」



彼にしては珍しく、サボると宣言した挙げ句堂々とブースを出ていく琴音を見ることも、ましてや引き止めることもしない。


リオが疑問に思っていれば、真田は残り少ない作業に戻っていく。







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