君はMorpho

□君はMorpho.Z
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記憶のないリオを連れて、幸村は立海ブースに戻ってきた。



「みんな。戻ったよ」

「あっ! リオ!!」



幸村が中に入り、おそるおそるリオもそれに続いた。


目ざとい部員達が駆け寄ってくるのを見て、リオがびくりと肩を震わせた。



「どこ行ってたんだよ、また跡部さんか?」



赤也が近寄ってくるなりそう尋ねた。

それを聞いたリオが瞳を伏せると、幸村がそれを庇うように立ち静かに言った。



「みんなに聞いてほしいことがある。」






   ***






幸村が事の次第を丁寧に話せば、ほとんどの部員達が絶句していた。



「鉄パイプの下敷きになったのがリオで…」

「その衝撃で記憶喪失…?」



嘘だろぃ、と丸井が呟く。

リオが静かにうつむいた。



「な…なんかドラマみたいな展開っスね…?」



ぽつりと言った赤也の言葉に、琴音が睨みを利かせた。



「ちょっと切原。発言が軽率過ぎよ!」

「しかし…確かに信じがたいことだろう?」



真田が腕を組んで言った。


不安そうに眉を寄せるリオを見て、幸村は静かにその手を握った。







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