君はMorpho
□君はMorpho.Y
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「しっかし、合同学園祭か…。なんつーか、奇抜だよな」
「でも屋台とか出んじゃん? 食い放題ってのも悪くねぇよぃ」
ジャッカルと丸井がそんな会話をしている。
今回この学園祭に参加させられることになった立海のテニス部は、練習と並行して参加する項目を決めていくことになった。
「テニスがねぇのがダメっすね」
「テニスがあったら大会と変わらんじゃろ。考えんしゃいワカメ」
「仁王先輩最近俺にケンカ売ってません?」
赤也と仁王が言い合いをしている横で、リオは書類に目を通す。
しかしいろいろと書かれていて到底理解はできる内容ではない。
「リオ、頼みがあるんだが…いいか?」
ふいに柳に言われ、リオが顔を上げる。
すると彼はとんでもないことを口走った。
「幸村に、この合同学園祭のことを伝えてきてくれないか?」
さすがのリオも、顔に出さずにはいられなかった。
金井総合病院に向かいながら、リオは深いため息を吐いた。
まさかここでこんなことになるとは思ってもいなかった。
しかし柳なりの気遣いだということはよくわかっている。
(このままじゃ駄目だしね…)
そんなことぐらいはわかっている。
わかっているつもりなのだが。
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