君はMorpho

□君はMorpho.V
3ページ/88ページ




「ならあたしとリオちゃんは残ってもいいのね!? よかった〜」

「誰もそんなこと言ってないけど? 琴音」

「レギュラーだけで勝手に行きやがれ。レギュラーは8人だけど部員は何十人もいるのよ?」



幸村と琴音が言い争いを始めたその横で、リオは真田に尋ねた。



「私達マネージャーも行くんですか?」

「ああ。すまないな、一緒に来てくれ。…こいつらと一つ屋根の下は俺だけではまとめきれん」



期待しているぞ、と言って真田はリオの頭に手を置く。

ああ、納得。
とリオが後方にいる丸井、赤也、仁王を見ていると、幸村が苦々しく言った。



「氷帝だけならまだしも、青学とかいるんだよね」

「それにしても、よくウチを呼ぶ気になったな。俺達そういうのには馴染みがないのに」

「確かにそうだぜぃ」



ジャッカルの言葉に丸井が頷く。



「ハブかれてたしのぅ…」

「他人と関わって練習したことはありませんでしたね」



仁王と柳生の発言にリオが首を傾げる。



「そうだったんですか? 先輩方おもしろいから友達多いと思ってました。」

「テニスに関しては“非情”って言われてるんだよ」



赤也が丸井の手元にあるケーキの欠片を口に含む。



「なら…いい機会ですね。他校と一緒に練習するのはいいことですし」

「そう。リオの言う通り…なんだけどね?」



幸村が嬉しそうに、でも困ったように言った。



「跡部からの手紙に書いてあったんだよ。リオは必ず連れてこいって」

「ひっ」



リオの顔が引きつった。



(跡部さんに告白されたの、忘れてた…っ)



その表情を見た幸村が眉を寄せる。



「やっぱり、跡部と何かあったんだね」

「い、いえ…何も」



酷く慌てた様子で否定するリオを見て、赤也が不機嫌になる。



「やっぱり何かあったんじゃねーかよ」

「違…、何でもないの。本当に…」







.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ