君はMorpho

□君はMorpho.V
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第12話 合同合宿.1





関東大会を2週間後に控えた今日。

レギュラー陣は部室に集まっていた。


イライラした様子の幸村の手元には茶色い封筒が置かれている。

それを、彼はじっと睨み付けていた。



「リオ〜! これ食っていい?」

「丸井先輩、ちゃんと皆さんの分も残しておいてくださいね!」



部活前にリオの作ったケーキで糖分を摂る丸井の前で、リオがせっせとドリンクの準備をしている。

そんなリオを目で追って、幸村はため息を吐いた。



「どうした? 精市」



柳が尋ねると、真田が口を開いた。



「今それを聞くな」

「その封筒に何か秘密があるようですね」



柳生が眼鏡を上げる仕草をする。

すると、全員の視線が封筒に注がれる。



「よし、終わり!」



リオがドリンクを籠に入れると同時に、やっと幸村が口を開いた。



「みんな、聞いて」



全員が黙って幸村に視線を送る。


幸村がゆっくりと口を開いた。



「跡部が…ケンカ売ってきたから、潰しに行こうか」

「「「は?」」」

「いや、ケンカではないぞ。精市」



真田が困ったように幸村をなだめると、続けて説明した。



「実はな、氷帝の跡部が合同合宿を申し込んできた。」

「は? あの自称キングが?」



琴音が不機嫌に言った。

どうやら嫌いな人物らしい。



「場所は長野の軽井沢で、合宿場所は全校同じだが、コートは学校別で貸し出すそうだ」

「合宿所は跡部と万年スーツ太郎の所有地で、レギュラーのみ参加だよ」



真田と幸村がそう説明していると、琴音の表情が明るくなった。







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